怖~い ダニによる病気!
この寒い季節にもまだや山や藪には、ノミ・ダニが感染する機会を待っています。病院に来院されるお外に出るねこちゃんにも先日はノミが寄生していました。寒くても油断大敵なノミ・ダニです。
ここでは、先日ニュースや新聞で掲載されました、ダニが人にうつす病気について、少しお話しようかと思います。マダニは様々な菌を媒介します。 そのなかで最も多くみられる菌が”リケッチア”と言われるものです。このリケッチアは様々な病気を引き起こします。
<リケッチア>とは・・・Rickettsia属の菌の総称で、連鎖状、繊維状の形状を示します。単独で増殖ができず、宿主細胞から取り出すと急速に死滅します。ダニによる人に感染する増殖は宿主の血管内皮系の細胞内で行われ、宿主細胞の代謝低下時に最もよい増殖を示します。感染した血管には血栓が生じ、血管破裂、壊死を引き起こします。
人に感染する病気としては、
①1月31日に山口で発生した<重症性熱性血小板減少症候群> ②日本紅斑熱 ③ライム病 ④Q熱 ⑤ツツガムシ病 ⑥発疹チフス などがあります。
①重症性熱性血小板減少症候群
〇原因:SFTS ウイルス(ブニヤウイルス科フレボウイルス属) 〇感染経路:・フタトゲチマダニ等のマダニによる咬傷(* ダニによる咬傷痕が確認できない場合も多い)・ 感染患者の血液・体液との接触感染も報告されています。
〇症状:発熱、倦怠感、食欲低下、消化器症状(嘔吐・下痢)、リンパ節腫脹、白血球・血小板の減少 出血症状などで、血清酵素異常(AST、ALT、LDH、CK 上昇)、尿検査異常(タンパク尿、血尿)がでます。?潜伏期間は6 日~2 週間ほどと言われて江います。 〇治療は効果的なワクチンはなく、対処療法となります。 予防はマダニの口傷をさけることです。
②日本紅斑熱:
〇原因:日本紅斑熱リケッチア(リケッチア・ジャポニカ) 〇感染:原因菌のリケッチアをもっているマダニによる口傷によるものです。
〇症状:かゆみのない発疹や発熱などがあります。発熱と同時、またはその前に紅色の斑丘疹が発生します。刺されて2-8日ころからや発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感などが起こります。一般検査では肝酵素の上昇や白血球および血小板の減少が見られます〇治療は点滴と抗生物質の投与で行われます。
③ライム病:
〇原因:マダ二によって媒介されるボレリア の感染によって引き起こされます。保菌動物としてはシカや野鳥、野ネズミで野生動物では感染しても発症しませんが、ヒト、犬、馬、牛では症状を示します。
〇感染:ボレリアのマダニからヒトへの伝播には、48時間以上の吸血が必要とされており、 ダニが刺した部分で菌が増殖します。3から32日間かけて周囲の皮膚へ広がります。
〇症状:紅斑を示します。しかし、無症状な人もいます。 他に、筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、倦怠感、リンパ節の腫脹の症状を伴うこともあります。体内循環によって病原体が全身に拡散すると、皮膚症状、神経症状、心疾患、眼症状、関節炎、筋肉炎など多彩な症状が現れます。不整脈などの循環器症状、リンパ球腫などを呈することもあります。感染から数か月から数年後に、慢性萎縮性肢端皮膚炎、慢性関節炎、慢性脳脊髄炎、角膜炎などを生じます。〇治療:抗生剤を用いるが、発疹や症状が出ていな場合は使用しないとされています。
上記の他にも、発疹チフスやツツガムシ病、Q熱などがあります。マダニはわんちゃんやねこちゃんの病気も媒介しますが、人に感染する病気も媒介します。ダニの寄生をさけるための予防はわんちゃんやねこちゃんの身はもちろん、人の身を守ることにもなります。定期的に予防しながら毎日を楽しく過ごしましょう!
※ 全院で、夜間診療は行っておりません。