綾部動物病院

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犬・猫の皮膚と皮下織の腫瘍

 犬・猫の皮膚や皮下織にできる腫瘍には、さまざまなものがあります。腫瘍によって進行度が異なり、悪性腫瘍の中には早期に摘出しないと命にかかわるものもあります。そのため、皮膚にしこりを見つけたら、早期に正確な診断を下し、治療することが大切です。



★検査★



●問診:いつから?大きさの変化は?



●視診:しこりの大きさ、形、色、発生部位は?



●触診:硬さ、周りの組織への広がりは?



●細胞診:



 ・しこりから針により細胞を吸引して、顕微鏡で観察します。



 ・腫瘍なのか、炎症なのか、腫瘍ならば良性なのか、悪性なのかを調べます。



 ・一部の腫瘍では特徴的な細胞が見られるため、ある程度細胞診で腫瘍が予測できることがあります。(リンパ腫、肥満細胞腫、悪性黒色腫、組織球腫など)



 ・しかし、特徴的な細胞がみられない腫瘍の場合は、細胞診では判定できないので、もう少し大きく組織を採取して外部検査機関に検査を依頼したり、しこりの摘出手術後に病理検査を行うこともあります。



●病理組織検査:病理医によって行われます。腫瘍の正確な種類と悪性度などが分かり、正確な診断と予後が分かります。



●画像診断:レントゲンや超音波でしこりの構造を確認します。



●全身状態:領域リンパ節の評価、一般身体検査、血液検査、尿検査、胸部レントゲン検査、腹部超音波検査などを行います。



 これらの検査により、総合的に診断し、予後を予測し、治療方針を決定します。



★皮膚と皮下織の腫瘍★



 ●犬:腫瘍全体で最も多く発生します(腫瘍全体の約1/3)。



    皮膚腫瘍の約20~40%が悪性腫瘍です。



 ●猫:腫瘍全体で2番目に多く発生します(腫瘍全体の約1/4)



    皮膚腫瘍の約50~65%が悪性腫瘍です。



★共通する臨床徴候★



 ●良性腫瘍は長期間存在していることが多いです。



 ●良性腫瘍は痛みがなく、ゆっくり成長し、可動性を認めることが多いです。



 ●悪性腫瘍は成長が早く底部の組織と固着していることが多いです。



 ●悪性腫瘍、良性腫瘍ともに潰瘍を認めることがあります。



 ●外観はさまざまです。



 ★犬で頻繁に見られる皮膚腫瘍★



1.脂肪腫



2.皮脂腺腫



3.組織球腫



4.肥満細胞腫



5.肛門周囲腺腫



6.黒色腫



7.扁平上皮癌



8.繊維肉腫



9・基底細胞腫



10.血管周皮腫



★猫で頻繁に見られる皮膚腫瘍★



1.基底細胞腫



2.肥満細胞腫



3.繊維肉腫



4.扁平上皮癌



5.皮脂腺腫



★皮膚腫瘍の一般的な治療方法★



 ●完全切除が基本です。



 ●巨大な腫瘍では緩和目的で減容積手術を行うことがあります。



 ●手足の巨大な腫瘍では断脚することがあります。



 ●不完全な切除では放射線治療を実施することがあります。



 ●他に、光線力学療法、凍結外科、レーザー焼灼、温熱療法があります。



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 ワンちゃん・ネコちゃんの腫瘍を最初に見つけてあげられるのは、飼主の方々です。



 日頃から抱っこして体を触ってあげたり、ブラッシングやシャンプーをして、体にしこりがないか確認してあげましょう。



 悪性の腫瘍でも早期に発見し、早期に摘出すれば治るものもあります。



 しこりを見つけた場合は、すぐに病院で診察を受けて下さい。



 

※ 全院で、夜間診療は行っておりません。