綾部動物病院

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予防の時期がきましたよ~

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フィラリアの成虫          フィラリアの検査(成虫の寄生の確認)感染有



暖かくなり活動的な時期になってきました。冬の間なかなか動かなかったわんちゃん、ねこちゃんも活動的になる季節です。この時期わんちゃんやねこちゃんだけでなく、病気を媒介する虫たちも活動的になります。また人も冬よりも出かけることが多くなり、わんちゃんやネコちゃん達も一緒に行動する場合は病原体に感染する機会も増えます。



わんちゃんねこちゃんにも病気があります。未然に防げる病気もたくさんあります。飼い主様の意識の持ちようで、ワンちゃんネコちゃんの暮らしや生活も変わってきます。病気があるからお外にでるのが怖いと思われる飼い主様も多いと思いますが、きちんと予防することで、病気を防ぎ、楽しいライフスタイルがおくれると思います。



では・・・・最低限行っていただきたい予防を上げていきたいと思います。



9混合ワクチンの接種(子犬・子猫ちゃんの場合2~3回 成犬・成猫の場合年1回)



・狂犬病ワクチンの接種(年1回)



・フィラリア症の予防(4月~12月まで)



・ノミ・マダニの予防(年中)



・健康診断(成犬・成猫の場合は年に1回、老犬、老猫の場合は年に最低2回)



ではここからは4月から始めるフィラリアの予防について説明します。



<フィラリアとは・・・>



・犬フィラリア(犬糸状虫):体長20~30cmの白くて細長い寄生虫です。



・犬フィラリア症とは、フィラリアが心臓や肺動脈に寄生することにより起こり、徐々に血液の循環が悪くなり、心臓・肺だけでなく、肝臓・腎臓などにも異常をきたし、死にいたることもあります。



<犬フィラリアのライフサイクルと感染経路>



・成虫:寿命約5年ほどでメス:25~30cm オス:10~20cmの大きさになります。雌のフィラリアはミクロフィラリア(フィラリアの子虫)を産出 (約5000匹/日)します。



・ミクロフィラリア:約0.3mm(顕微鏡で見ることが可能です。)



↓ 蚊の吸血時に蚊の体内に入る。



・第2期幼虫







・感染幼虫



↓  蚊の吸血時に犬の体内に入る。



・体内移行幼虫



↓ 犬の組織内で発育します。



・未成熟虫



↓ 血管に侵入し、心臓や肺動脈へ移動する。



・成虫



<犬フィラリア症の症状>



・咳をする。・呼吸が荒くなる。・元気・食欲がなくなる。・興奮した時に失神して倒れる。・お腹に水が溜まってくる。・血尿がでる。



・症状がすすむと死に至ります。



フィラリアの予防を始める前には血液検査を行いましょう!フィラリアの寄生をうけている場合、大量にフィラリアの子虫が血液中にいる場合があります。その状態でのフィラリアの薬の投与はとても危険です。場合によってはショック症状で亡くなる場合もございます。では検査とは・・・・



<犬フィラリアの検査>



〇血液検査



・ミクロフィラリアの検出→血液をスライドに一滴垂らして、顕微鏡で観察します。



・成虫の分泌抗原の検出→簡易キットで判定します。



もしフィラリアに感染していたら・・次の検査を受けましょう!



〇超音波検査



・心臓内にいる犬フィラリア虫体の確認



・心臓の病変の判断(心室・心房の拡張など)



〇レントゲン検査



・心臓・肺・気管支の病変の判断(心肥大など)



ではもしフィラリア症にかかっていたら・・・・



犬フィラリア症の治療としては



①成虫駆除薬の投与



②外科的に摘出



③対症療法・保存療法



*わんちゃんの状態(年齢、健康状態ななど)により、治療が異なります。しかし感染したからといって、予防をしなくていいというわけではなく、新しい感染を防ぐためにショック防止剤と併用しながらもフィラアの子虫の駆除はおこなわないといけません。



感染しないように予防を始めましょう!



<犬フィラリア症の予防方法>



①経口剤の投与



・蚊が出始めて1ヶ月後から蚊がいなくなって1ヶ月後まで月に1回駆除薬を飲ませます。



*フィラリアの薬は駆除薬です。フィラリアの幼虫を成虫になる前に(心臓に寄生する前に)駆除するものです。飲ませてから1ヶ月効果があるわけではありません。



・犬回虫や犬鉤虫の駆除も行うことができるタイプのものもあります。



②スポット剤の投与



・経口剤と投与間隔は同じです。



・経口剤を飲まないワンちゃんにお勧めです。



③注射



・1回の注射で6ヶ月間の予防ができますが、アナフィラキシー様ショックが起きることがあり、死亡例が報告されています。

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投薬期間は地域ごとに異なります。



蚊が見られたら、その次の月まで予防薬(=駆除薬)を飲ませてしっかり予防しましょう!!



<猫のフィラリア症>



〇症状



・喘息のような咳や呼吸困難、嘔吐が見られたり、突然死することもあります。



・1匹の寄生で死に至るケースもあります。



・犬の場合、フィラリアが100匹感染すると、約75匹が成虫になるが、猫の場合は、成虫になるのは3~10匹だけとも言われています。



〇診断



・フィラリアの寄生数が少ないため、検査で陰性になる場合が多く、診断が難しい。



〇治療



・成虫駆除ざいの投与は、副作用が出る可能性が高いため、あまり行いません。



〇対症療法



・フィラリア寄生に伴う炎症や咳を抑えるために、ステロイド剤や気管支拡張剤の投与を行います。



〇予防



・月に1回、予防薬を投与することにより防げます。



*ねこちゃんにもフィラリア症はありますが、上記のようなことから難しい面もあります。しかしお外によくでるねこちゃんや感染の機会があるねこちゃんの予防もとても大切です。ねこちゃんに飲み薬は難しい面もあるので背中に付けるスポットタイプの薬があります。



上記のようにフィラリア症はとても怖い病気です。しかし、予防できる病気でもあります。



わんちゃんやねこちゃんの健康を守るのも飼い主様の義務です。きちんと予防し、元気で楽しい生活を送りましょう。


 

※ 全院で、夜間診療は行っておりません。