予防の時期がやってきました。
晴れ間がつづき、日々暖かくなってきました。桜が見ごろになる時期、この時期は予防が始まる季節でもあります。
暖かくなると、ワンちゃんに寄生する寄生虫が活発になります。代表的なものが●フィラリア●ノミ・ダニです。
ここでは皆様もご存じだとは思いますが、毎年のことながら、フィラリア症についてお話していきたいと思います。
フィラリアとは 白いそうめん状の寄生虫です。 このフィラリアは蚊によって健康なワンちゃんに運ばれます。感染したワンちゃんの血液の中にはミクロフィラリアというフィラリアの子虫がいます。その子虫を蚊が血液を吸うときに一緒に吸い上げてしまい、健康なワンちゃんの血液を吸うときに一緒に入って行ってしまいます。ワンちゃんの血液の中にはいったフィラリアは、脱皮をしながら成長し、どんどん心臓に向かってきます。
ではフィラリア症とは・・上記で説明したフィラリアがワンちゃんの心臓(右心室から肺動脈)に寄生することです。症状は元気・食欲がなくなったり、咳が出たりします。心臓に負担がかかり、循環が悪くなり、お腹や胸に液がたまったりします。急な呼吸が荒くなったり、血尿が出ると危険な状態です。フィラリアの寿命は5年~6年といわれています。治療としては、外科手術や注射での駆除がありますが、どちらもワンちゃんの体の負担がかかります。
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フィラリアの成虫 フィラリアの検査(成虫の寄生の確認)感染有
フィラリア症は予防ができる病気です。感染源の蚊を完全の排除することはとても難しいことだと思います。フィラリアはきちんと駆除薬を飲ませていただくことで感染を防ぐことができます。予防時期としては蚊が出た月~蚊がいなくなった翌月までです。宮崎では4月~12月までは確実に飲ませていただくことをお勧めします。もし1月、2月も蚊を見かけることがあれば、その翌月までは薬を飲ませましょう。薬は予防薬としてお出ししていますが、効果としては虫下しと同じです。体内に入ったフィラリアの子虫を薬を飲ませることによって駆除します。フィラリアの子虫も脱皮して大きくなると、薬が効果を示さなくなります。10月まではきちんと予防されていても、その後1匹でもフィラリアの子虫をもっている蚊に刺されると、感染します。飲ませた月から1カ月薬がきいているものではないので、蚊がいなくなった翌月までは確実に投与しましょう。こお薬も飲ませやすいように錠剤だけでなくお肉タイプのものもあります。
またフィラリア症に感染している状態での薬の投与は危険です。感染している状態で薬を飲ませると、最悪の場合、亡くなってしまうケースがあります。毎年予防を始める場合はフィラリアの検査を行ってから始めましょう。フィラリアの検査とは、血液の検査になります。ワンちゃんの血液の中にフィラリアの子虫がいないかどうかや成虫が心臓に感染していないかの検査になります。お勧めとしては、おなじ血液で内臓の肝臓や腎臓の数値のチェックもできます。同じ血液でできるので、健康診断にもなり、採血も1度すみ、ワンちゃんの負担も軽減できます。この機会に一緒に検査をお勧めします。ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。
※ 全院で、夜間診療は行っておりません。