ノミ・ダニの予防しっかりしましょう。
朝・夕の散歩が気持ちいい季節となり、散歩を楽しむ飼い主様も多くいらっしゃることと存じます。
この時期注意していただきたいのが、ノミ・ダニです。今まで散歩に行かれたわんちゃんやネコちゃんにつく事が少なかったと思います。ノミ・ダニはこの季節は活発に動き出し、犬やネコの寄生する機会を待っています。
犬や猫に寄生したノミ・ダニはもちろん動物たちの血液を吸って生活します。血液を吸うだけではなく、その際にさまざまな障害を引き起こします。また痒みなど精神的なストレスを受けます。
☆「ノミ」について
ノミは寄生すると24~48時間後には、ワンちゃんやネコちゃんの体の上で卵をうみます。その卵は体から落下して、犬やネコの生活圏に落ちます。その後孵化し成虫になり再び犬や猫に寄生します。 このライフスタイルは13℃以上あれば活発化され繰り返されます。一度室内に持ち込んでしますと、大変です。万が一犬や猫の寄生しているノミ・ダニを見かけたら、体上の駆除はもちろん、環境中の清掃も大切です。人もノミやダニにかまれることがあります。かまれるととても痒みが強く跡が残ることもあります。また以下のような病気も媒介します。
①ノミアレルギー性皮膚炎 ②瓜実条虫(寄生虫)の感染 ③ネコ引っかき病などです。 (*①・②は犬や猫 ③人に感染する病気です。)
①ノミアレルギー性皮膚炎:湿疹や脱毛、激しい痒みを伴います。一度このような状態になると、次回ノミ・ダニの寄生が少数であっても、同じような皮膚炎に悩まされます。激しいかゆみを伴うため、夜も寝れず、犬や猫の精神的なストレスにもなります。
②瓜実条虫の寄生 :体長50cmにもなることもある大型の寄生虫です。条虫の卵を宿したノミを犬や猫が食べることにより感染します。犬や猫は痒いと足で掻いたり、口で直接痒い部分をかんだりします。その際にノミを食べてしまいます。
③ネコ引っかき病:ネコの血を吸って感染したネコノミが体内で病原菌を増殖し、糞便として排泄をする。それがネコの爪や歯に付着しそのネコに引っかかれたり、かまれたりすることによって感染します。感染するとリンパ節が腫れ、発熱や頭痛を起こすことがあります。 これは人獣共通感染です。人に感染します。
以上がノミによって感染する病気の主なものです。
☆「マダニ」について
ダニ(マダニ)とは、やぶや草むらに生息するものは、犬やネコが近くを通る時に、感染します。その後ダニは犬や猫の血液を吸い、体の上から落下します。雌のダニはその後地上で卵を生み、生まれた幼ダニは脱皮をして成ダニまでになり、さらにそのサイクルをつづけます。
①バベシア症 ②猫ヘモバルトネラ症 ③日本紅斑熱
①バベシア症とは、バベシアという原虫が赤血球に寄生し、破壊します。 貧血や発熱、食欲不振、黄疸などがみられます。急性の場合は亡くなってしまう場合があります。
②猫ヘモバルトネラ症:原因はヘモバルトネラという寄生虫です。症状として、貧血や発熱、元気消失などです。
③:日本紅斑熱:人に感染する病気です。マダニにかまれると感染し、体中に赤い発疹ができ、熱が出ます。抵抗力の弱い方だと場合により亡くなる場合もあります。
今は市販にもノミ・ダニ駆除剤が販売されています。違いとしては病院で販売されている駆除剤は医薬品として、市販のものは医薬部外品として販売されています。効果や持続の違いがあります。例としては、フロントラインプラスという製品はノミに関しては1ヶ月半、マダニに関しては1ヶ月間効果が持続し100%駆除できます。それに比べ市販の物は効果の効きが遅く、持続が短いとされています。また駆除率も医薬品に比べると低いので、市販の駆除剤をお使いになっている方でも、ノミ・ダニが寄生してしまったとの意見もありました。以上の病気には、保有しているノミ・ダニに一度でもかまれると寄生します。できれば1度の寄生もさせないことが重要です。
ノミもダニも血液を吸うだけだけでなく、さまざまな障害を引き起こします。これらの病気から愛犬・愛猫を守るためにも、また引いては、人と動物との共通の感染症を防ぐためにも、きちんと予防を行いましょう。予防を行い、楽しく散歩しましょう。
※ 全院で、夜間診療は行っておりません。