不妊手術・去勢手術について
2月ももうすぐ終わりますが、やっと暖かくなってきましたね。
動物にも、私達にとっても過ごしやすい季節になってきました。
暖かくなってくると、とくにねこちゃんは発情期を迎える子も多いですね。
そこで今回は、わんちゃん・ねこちゃんの不妊・去勢手術についてお話したいと思います。
最近は不妊手術や去勢手術を実施してくれる方が増えてきていると実感しますので、私達としてはありがたいことだなと思います。
だからって絶対にしたほうがいい!するべきだ!ということではないんですが・・・、
私達、動物病院としては「不妊・去勢手術はしたほうがいいですよ」というスタンスです。
不妊・去勢手術にもメリットやデメリットがありますが、それを比べたときにメリットのほうが多いと思うので、それがオススメしている理由です。
<メリット>
①マーキングやスプレー行為の減少
とくにオスで多いですが、自分の縄張り主張でオシッコを壁や布団などに
ひっかけます。この行為が減少します。
②家出・脱走の減少
発情中は異性を求めて、家から逃げていってしまうこともあります。
脱走した先で交通事故に遭ったり、犬・猫同士のケンカに巻き込まれて
大怪我することもありますが、不妊・去勢手術を行うと、出て行きたい
衝動が減るので、そういったリスクも減ります。
③ストレスの軽減
発情中は気分が不安定になろことが多いため、繁殖行動ができないと
ストレスを感じる子が多いです。
よく鳴いたり、食欲が落ちてしまったりするのは、こういったストレス
からとも思われます。
④望まない妊娠・繁殖を防ぐ
日本では、年間30万頭近い犬や猫が殺処分されていると言われています。
その大部分は野良犬や野良猫、またその子たちが産んだ子犬・子猫たちです。
不妊・去勢を普及させていくことによって、不幸な動物たちを減らせたら
理想的ですよね。
⑤性ホルモンの影響で起きやすい病気を予防できる
? 男の子の場合、去勢手術によって、「精巣腫瘍」や「前立腺肥大」など、
女の子の場合、不妊手術によって、「乳腺腫瘍」や「子宮蓄膿症」などの病気を
予防できます。
<デメリット>
①全身麻酔のリスク
手術の際には、痛みを感じないように全身麻酔を施します。
人医療でも同様ですが、全身麻酔には最悪の場合(ごくごくまれですが)、
麻酔から覚めないなどのリスクがあります。
②肥満になりやすくなる(ただしこれは食事管理次第)
不妊・去勢手術後は、必要なカロリーが30%ほど少なくなりますので、
手術前と同じだけ食事を与えていると、あっという間に太ってしまいます。
肥満は万病のもとですので、適正体重を維持できるように、
飼い主さんが調整してあげてくださいね。
←不妊手術の様子
不妊・去勢手術を実施できる時期ですが、最近では比較的早期(4ヶ月齢から)でも可能です。
とくに女の子では、乳腺腫瘍の予防的効果を高めるためには、初めての発情を迎える前がいいとされています。
不妊・去勢手術をした方がいいのかな・・・とお考えの方は、一度病院で相談してみてください。
上記のメリット・デメリットをふまえ、お宅のわんちゃん・ねこちゃんに合わせて、お話しできると思います。
※ 全院で、夜間診療は行っておりません。