綾部動物病院

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犬の甲状腺機能低下症

 先月は、猫の甲状腺機能亢進症のお話をしましたが、今回は、犬の甲状腺機能低下症のお話しをいたします。



~甲状腺~



 甲状腺は、喉の気管の両脇にあり、甲状腺ホルモンを合成しています。



~甲状腺ホルモン~



 甲状腺ホルモンは、食物が代謝され、体を作ったり、エネルギーになったりする過程を促す作用があり、動物の生命活動に必要なホルモンです。



~甲状腺機能低下症とは~



 甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンの分泌が少なくなったり、できなくなった状態のことをいいます。



~原因~



 甲状腺機能低下症は、主に免疫介在性のリンパ球甲状腺炎と、特発性甲状腺萎縮によって引き起こされます。また、副腎皮質機能亢進症などの他の病気が甲状腺ホルモンの働きを阻害し、同様の症状を引き起こすことがあります。



~症状~



 ・無気力になり、寝ている時間が多くなる。沈うつになる。



 ・被毛の不良や脱毛がおき(尾の脱毛:ラットテイル)、毛の再生も遅く、残っている毛も細く、薄くなる。



 ・皮膚の肥厚や色素沈着(黒色化)、脂漏性皮膚炎になる。



 ・悲しそうな顔をしている。



 ・重篤になると、意識障害を起こしたりする。



 中年(4~10歳)の中型犬、大型犬に多く、小型犬には稀である。好発犬種には、ダックスフント、ミニチュア・シュナウザー、ゴールデン・レトリバー、コッカスパニエル、ドーベルマン、ボクサー、エアデールテリアとされています。これらの犬種では、遺伝性の自己免疫疾患が起こるようです。



~診断~   



 確定診断として、血液検査で、甲状腺関連ホルモン(甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモン)を測定します。



 ただし、甲状腺機能が正常であっても、甲状腺ホルモンが低下する疾患があります。この疾患には、糖尿病・クッシング症候群・腎疾患・肝疾患・全身性感染症・免疫介在性溶血性貧血・心不全・リンパ腫などがあげられます。



 その他の診断基準



 ・体温低下



 ・心拍数の低下



 ・高コレステロール血症



 ・貧血



~治療~ 



 治療は、甲状腺ホルモン製剤を投与します。産生・分泌できなくなった甲状腺ホルモンを、薬で補充します。



 投薬を始めると、普通1週間で活発さが戻り、6週間で発毛や毛質の改善が見られるでしょう。



 どの程度の量を投与すればいいのかは個体差あるので、定期的に病院で血液検査などの診察を受け、適切な量を決めます。



 甲状腺ホルモン製剤は、一生飲み続けなければなりませんが、 適切にホルモン製剤を投与し続けていれば予後は良いでしょう。



 



~早期発見・早期治療~



 甲状腺機能低下症の予防法はありません。したがって、早期発見・早期治療を心がけることが大切です。気になる症状が見られる際には、病院での診察を受けるようにしましょう。



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ロンちゃん 甲状腺機能低下症で現在、治療中。甲状腺ホルモン製剤を飲み始めたら、とっても元気になりました。尻尾が脱毛していますが、最近、毛が生えてきました。ふさふさの毛が生えるのが楽しみです。



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今週、診察に来院されたわんちゃん達です。



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クリームちゃんとチロルちゃん、今日はフィラリアの定期健康診断にきました。とっても可愛い飼い主様の手編みのセーターを着てました♪



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ラムちゃん、眼の診察のあとに、爪と足の周りの毛のお手入れをしました。さらに可愛くなりました♪


 

※ 全院で、夜間診療は行っておりません。