動物由来感染症
動物由来感染症とは、
動物から人に感染する病気の総称で、別名:人畜共通感染症、ズーノーシスともいいます。
確認されるだけで150種類以上があり、現在、日本には数十種類が存在するとされています。
家庭内で動物を飼育する人が増え、人と動物が密接に接触する機会が増えています。また、爬虫類などのエキゾチックアニマルを飼育する人も増えています。
一部の動物共通感染症については、人の患者数が増加傾向であると報告されており、注意が必要です。
~世界の現状~
◎狂犬病
アジア・アフリカを中心に年間約5万5千人もの死者を出しており、犬、猫、アライグマ、キツネ、スカンク、コウモリ、ハムスター、マングースなどが狂犬病ウイルスの重要な媒介動物であります。
◎高病原性鳥インフルエンザ
アジア・アフリカ、中東、ヨーロッパの家禽、野鳥に広く蔓延しており、死者を出しております。
~日本の現状~
日本では、オウム病、エキノコッカス症、レプトスピラ症、Q熱などの発生があります。
◎狂犬病
フィリピンで犬に咬まれ感染した人が日本帰国後に発症し、死亡。
◎オウム病
展示施設の従業員で集団発生
◎エキノコッカス症
キタキツネの糞で感染して20年後に発症
◎O-157(腸管出血性大腸菌感染症)
ふれあい動物施設に来場した人で集団発生
◎Q熱、パスツレラ症、猫ひっかき病、カプトサイノファーガ・カニモルサス感染症
イヌ・ネコがふつうに持っている病原体で過度の接触で感染することあり。
◎レプトスピラ症
感染ネズミの尿で田んぼや池、川が汚染されている場合や感染犬の尿にふれただけで感染することあり。宮崎県内では、多く発生。
◎サルモネラ症
ミドリガメから子供に感染し重症に。
~人と動物の共通感染症の予防~
人と動物の双方において、共通感染症を予防するためには、共通感染症についての正しい知識を身に付け、原因がどこにあるのか、どのように予防できるのかを知り、飼育環境の管理や動物の健康管理など日常生活で注意することが大切です。
そして、自らの感染のみならず、家族や近隣住民への感染を予防するための努力が求められています。
~日常生活で注意すること~
①1年に1回、犬の狂犬病ワクチンと9種混合ワクチン(3種類のレプトスピラ症の予防を含む)の接種を受けましょう。
②過剰なふれあいはひかえましょう。
③糞尿は速やかに処理しましょう。
④動物に触ったら必ず手を洗いましょう。
⑤動物の身の回りは清潔にしましょう。
⑥砂場や公園で遊んだら必ず手を洗いましょう。
⑦野生動物の家庭での飼育や野外での接触は避けましょう。
⑧ペットは定期検診を受け、日常の健康管理に注意し、病気を早めに見つけましょう。
⑨飼い主さんも体に不調を感じたら、早めに病院を受診しましょう。
~綾部動物病院での取り組み~
●病院・トリミングルーム・しつけ教室トレーニングルーム・ドッグラン等の清掃・消毒を徹底しております。
●トリミング・しつけ教室・ドッグランを利用する全てのワンちゃんに、狂犬病ワクチンの接種および9種混合ワクチン(※3種類のレプトスピラ症の予防を含むワクチン)の接種、ノミ・マダニの予防(フロントラインプラスの投与)を行っております。
●狂犬病ワクチン、9種混合ワクチン、ノミ・マダニ予防、定期的な健康診断などをお勧めしております。
※次回から、それぞれの動物由来感染症について、お話していこうと思います。
※ 全院で、夜間診療は行っておりません。