~高齢の猫ちゃんとのつきあい方~
病気の早期発見はとても大切です。
ワンちゃんはワクチン関係(伝染病や狂犬病)、フィラリア症の予防、ノミ・マダニの寄生予防や駆除、しつけ教室や美容室など…1年間の中でも動物病院へ来院する機会が何度かありますが、
?
ネコちゃんの場合は伝染病のワクチン接種以外は病院へ行く機会がないという子も少なくありません。
また、ネコちゃんはワンちゃんほどに老化による見た目の変化が感じられないために、
―あれ?最近ちょっと痩せてきたかなぁ?
と心配になって病院で検査をしてみると病気がかなり進行してしまっているという事も…。
◆定期健診と血液検査
高齢になり体調の変化に気付いてからの血液検査では、出た数値の高さや低くさからおおよそ病気を見つけることはできても、その子の正常値や経過は分かりません。
数値が正常値範囲内でも。。。生まれつき肝臓や腎臓の数値が高め、白血球が少ない、血小板が少ないなど個体差はさまざまです。
5歳を過ぎたら壮年期、7歳以上は高齢、10歳以上は老齢です。
(いわゆるシニア世代)
近年では医療やフードの内容の進歩により寿命が延びており、なかには20歳以上のネコちゃんが来院されることもあります!
こう考えると若い時期というのは短いものです。
高齢になって発見される病気の多くは5歳以降の壮年期で始まり、ゆっくりと進行していくようです。
若い内から年1回のワクチン接種の時に一緒に血液検査をしておくと把握できますね。
7~8歳を過ぎたころからは最低でも半年に1回の血液検査を受けましょう。
※健康診断ではさらに尿検査やレントゲン検査、超音波(エコー)検査、内視鏡検査なども行うことができます。
◆おうちで毎日チェックできること
1.食欲
①食事量はきちんと摂れていますか?
食欲があるからといって健康だとは限りません。
病気によって食欲が増すことがあります。
高齢のネコちゃんに起こりやすい甲状腺機能亢進症では食欲があるのにどんどん
痩せてくるという症状があります。
ただし食欲が落ちたからといって単に年齢のせいだと思ってしまうのは×。
②食事の摂り方、スピードなどに変化はありませんか?
口内炎や歯肉炎、歯周病があると食べるときに痛がったり首を傾けて食べること
があります。(首を傾けてギシギシと変な音立てながら 食事をすることも…。)
食事の時以外でも頬に触れると非常に痛がったり、ヨダレで口の周りが汚れて
しまうことはないですか?
また、口腔内の疾患や腎不全があると口臭が目立ってきます。
2.飲水と排尿
飲水量と比べて排尿量はどうでしょうか?
急にたくさん水を飲むようになってはいないでしょうか。
飲水量が増えれば排尿量も増加するはずです。
糖尿病や腎不全の心配が出てきます。
尿の色が以前より薄くはないですか?
3.活動量や行動の変化
ネコちゃんは1日のうちほとんど寝て過ごしているかもしれませんが…
①以前より活動量が低下していませんか?
歩行がゆっくりになったり、高いところへ上らなくなっていないでしょうか。
視力や関節の痛みなどが関係することもあります。
②排泄を失敗するようになっていませんか?
膀胱や腎臓の病気により、排尿回数や量が増えてトイレまで間に合わない
ということもありますが、なかには認知症の症状として現れることもあります。
4.皮膚や見た目の変化
①毎日抱っこしたり触れてあげましょう。
身体の表面の出来物やしこりに気付いてあげられるかもしれません。
抱っこすることで体重の変化や体型の変化も分かります。
毛づやはどうでしょうか。
②肥満ではないですか?
肥満はいろんな病気の原因となります。
しっかりと年齢にあった食事を選び、体重制限を心がけましょう。
③性格に変化はないですか?
異様に大きな声で鳴き出す、怒りっぽくなった、攻撃性が増している、
今まで以上に甘えてくる、などはないでしょうか。
日頃から身体の小さな変化に気を配り、病気の早期発見と早期治療で素敵なニャンコライフを送りましょう。
※ 全院で、夜間診療は行っておりません。