綾部動物病院

宮崎市の動物病院です。子犬の飼い方指導・犬の保育園・犬のお泊り強化保育・犬のしつけ教室・トリミング・ペットホテルも行っております。お気軽にお越しください。

  • 文字サイズ
綾部動物病院
  • お問い合わせはこちらからどうぞ
  • 神宮本院0985-22-8584 0985-22-8594
  • 赤江分院0985-63-5060 0985-63-5033
  • 大塚分院0985-48-3906 0985-48-3916
TOP »お知らせ »注目・重要 » レプトスピラ症 (動物由来感染症)

レプトスピラ症 (動物由来感染症)

 レプトスピラ症



 レプトスピラ症は、犬に対しても人に対しても「危険性が高い」共通感染症です。しかし、国内の患者数が人と犬ともに正確には把握されていない「要注意」の共通感染症の一つです。



?宮崎県では、2006年8月から9月にかけて8名の患者が発生しました。実際の患者数はもっと多いと推定されています。 



 レプトスピラ症にかかり、治療しないと、死亡することもあります。



~病原体~ 



 レプトスピラは、レプトスピラ目レプトスピラ科に属する細菌で、病原性レプトスピラは自然界ではげっ歯類など多くの野生動物(ネズミ、タヌキ、シカ、イノシシなど)に保有されており、その他家畜(ウシ、ブタ、ウマなど)やペット(犬、猫など)もレプトスピラを保有していることがあります。



 病原性レプトスピラは保有体の腎臓に定着し尿中へと排泄されることから、レプトスピラ保有体の尿、あるいは尿によって汚染された水や土壌が感染源になります。レプトスピラは水の中ではとても長い間生き続けます。



?~感染経路~



 レプトスピラに感染したイヌやネズミなどの尿、尿に汚染した水、土壌から経皮的に皮膚、粘膜表面の創傷、擦傷、または結膜を通過して体内に感染します。また、レプトスピラに汚染した食物からも経口的に感染します。



~犬の症状~



 急性の腎炎と肝炎をおこします。 



 通常、4~12日の潜伏期の後に39~41℃の発熱、元気消失、食欲不振、下痢、血便、嘔吐を起こします。また、歯ぐき等の粘膜の充血や出血が見られることもあります。さらに悪化すると、黄疸や腎不全を起こし、死亡します。発症後、数時間から2~3日で死亡することもあります。



 また、感染しても無症状のままで経過し、尿中に菌を排泄し感染源となることも多いです。



 猫での発症例は、ほとんどありません。



~人の症状~



 犬と同様の症状が見られます。



~治療~



 抗生物質を投与したり、肝炎や腎炎の対症療法を行います。



~発生状況~



 近年の日本では、2003年に1人、2004年に18人、2005年に17人の患者数が報告されています。過去には、昭和12、13、14年の3年間で9千人の患者数があり、2千人以上が死亡した事例があります。その後、衛生環境の改善とネズミの駆除が進み、発生数は減少しました。



 犬のレプトスピラ症は届出伝染病に指定されており、2003、2004年に各150頭前後、2005年には約70頭の感染が報告されています。



~予防~



①ワクチンの接種が予防に有効です



 ワンちゃんは、1年に1回、混合ワクチンを接種しましょう。(ただし、混合ワクチンにはいくつか種類があります。ワンちゃんに接種している混合ワクチンにレプトスピラ症のワクチンが含まれているか確認しましょう。)



 当院では、3種類のレプトスピラ症を予防できる9種混合ワクチンをおすすめしております。



②人・ワンちゃんともに、不用に畑、田んぼ、池、水たまりに入ったりしないようにしましょう。



③ワンちゃんには、田んぼや池、水たまりの水を飲ませないようにしましょう。



④ワンちゃんには、道路の草を食べさせたり、拾い食いをさせないようにしましょう。



⑤7~10日に1回、ワンちゃんをシャンプーして、日頃から被毛を清潔に保ちましょう。



⑥人は、野外での経皮感染を避けるために、山林や川に入る場合は、長袖、長ズボンを着用し、肌を露出しないようにしましょう。  



  7~10月の台風後に多く発生する傾向があるので、特に注意が必要です。



 万が一、ワンちゃんが感染したり、感染の疑いがある場合は、犬の排泄物の取り扱いに注意が必要です。ケージ、サークル、食器等、感染源となりうるものについては、マスクやゴム手袋を着用して、逆性石鹸、次亜塩素酸ナトリウムなどによる消毒を行い、人が感染しないように気をつけましょう。



 人も畑、水田、山林などで作業した後、数日して、突然の発熱、頭痛、筋肉痛などの症状がでた場合は、病院を受診して下さい。



 レプトスピラ症は、予防できる病気です。ワンちゃんのワクチン接種や衛生管理、飼い主さんの体調管理など、日頃から十分に留意しましょう。



 

※ 全院で、夜間診療は行っておりません。