避妊手術について
犬・猫を飼育されている飼主様へ
将来、愛猫・愛犬に子供を産ませることを考えられていないのであれば、避妊手術をお勧め致します。
でも、いったい何の為に手術をするのかを説明致します。
●避妊手術とは?
腹腔内の卵巣と子宮を切り取り、子供が出来ないようにする手術です。
そして、手術をすることによりメス特有の病気(子宮・卵巣・乳腺)の予防に
繋がります。
●病気の予防について
避妊手術によってどのような病気が予防できるのか?
<乳腺腫瘍>:高齢期になりやすく、乳腺にできる腫瘍のことで悪性だと
ガンといいます。
<子宮蓄膿症>:子宮に膿がたまる病気です。
これらの二つは、性ホルモンが出続けることで起こりやすくなる病気であり
どちらも命の危険に関わってきます。
この二つの病気は避妊手術をすることで、予防が期待できるのですが
<乳腺腫瘍>は手術を受ける前に発情を迎えた回数によって
予防効果が変わってきます。
*メス犬の最初の発情は生後8ヶ月前後で迎え
それから年に1~2回のペースで発情をします。
・初めての発情前に手術をすれば……90%以上の予防効果が期待できます。
・1回目の発情を迎えた後だと……70~80%に下がります。
・2回目の発情ではさらに予防効果は下がり
年齢が2.5歳以降だと予防効果はほとんど期待できない状態になります。
避妊手術は生後6~7ヶ月頃になれば手術を受けることができます。
まだ子供なのに手術を受けるのは…と悩まれるとは思いますが
しかし、このさき高齢になってこれらの病気にかかり手術を受けて
大きな傷を残すのと、小さい頃に避妊手術をして小さな傷で済むのとでは
全く違うと思います。
*避妊手術は適切に行えば決して危険な手術ではありません!
手術の過程としては…
①:麻酔をかけて手術するので手術前日の夜21時からご飯・お水を
与えないでください。絶食絶水です。
②:手術当日は絶食絶水の状態で病院に来ていただき、麻酔や手術をして
大丈夫かの身体検査と血液検査を行います。
③:異常がなければ、ペットをお預かりして手術を行います。
④:手術が終われば異常が出ないか様子を見るため1日入院です。
⑤:体調に問題なければ翌日に退院し、それから10日後位に傷口を
縫った糸を取るための抜糸を行います。
●避妊手術後に注意すること
肥満:手術をすることによりホルモンのバランスが変化するため
手術をしてない犬と比べると手術をした犬は太り易くなります。
肥満は万病のもとです!
糖尿病・関節疾患・心臓病など様々な病気に関連してきます。
ただ、肥満は毎日の食生活と健康管理で対処できることなので、手術を受ける
メリットの方がずっと大きいと思います。
もしも、餌の量がわからないときは病院の方へお尋ねくださいませ。
※ 全院で、夜間診療は行っておりません。