犬や猫の腫瘍について
近年、獣医療が進歩して、飼い主の方も病気の予防や健康管理の意識が高まったことなどから、犬も猫もずいぶん長生きするようになりました。しかし、その一方で、高齢犬に特有な病気、がんでの死亡率が増えてきました。高齢になると、体力や免疫力、抵抗力が衰え、腫瘍の発生率が高くなり、年齢を重ねるほど発生しやすくなります。
腫瘍とは、体の中の細胞が異常な分裂を繰り返して、新組織を形成する病気です。腫瘍には、発生した場所だけで増える良性腫瘍と周りの組織や全身に広がってしまう悪性腫瘍に分けられます。悪性腫瘍は種類によってがんや肉腫と呼び、全身に広がるにつれ、徐々に体の機能を壊し、命を奪ってしまいます。
腫瘍は、皮膚や内臓、血液、骨などあらゆる臓器に発症するが、早期発見できれば、手術や抗がん剤での治療が可能なこともあります。
腫瘍を早期発見するには、日頃から、愛犬・愛猫の身体に異常がないか注意深く観察して、行動や様子の異変に気づいてあげましょう。
また、定期的に動物病院の健康診断(血液検査、尿検査、レントゲン検査などの基本的な検査や超音波検査や内視鏡検査などの精密検査など)を受けましょう。健康診断は腫瘍以外の病気の発見にもつながります。10歳未満では年に2回、10歳以上では年に4回またはそれ以上の定期的な健康診断をおすすめいたします。
腫瘍の主な症状
皮膚腫瘍 皮膚のしこり、腫れ、潰瘍
乳腺腫瘍 乳腺のしこり、腫れ
口腔内腫瘍 口の中のしこり、潰瘍、ただれ、出血
鼻腔内腫瘍 血の混じった鼻水、長期間続くくしゃみ
胃腸の腫瘍 長期間に続く下痢や嘔吐
腎臓・膀胱・尿道の腫瘍 血尿、尿が出にくい
骨の腫瘍 足を引きずる、触ると痛がる
脳腫瘍 歩き方がおかしい、ふらつく、けいれんをする
腫瘍には、上記のような症状が見られます。このような症状がみられる場合には、すぐに診察を受けましょう。
※ 全院で、夜間診療は行っておりません。