犬バベシア症にご注意!
犬バベシア症とは?
バベシア(ピロプラズマ)原虫という病原体が、犬の体内に入ることにより起こります。犬にとっては致命的な感染症です。バベシア症に感染した犬では重度の貧血が起こり、放置すると死に至るという非常に恐ろしい感染症です。
バベシア症はマダニが媒介する!
この病原体はマダニを中間宿主としています。この病原体に感染したマダニが犬の血を吸血するときに、バベシア原虫がダニの体内から犬の体内へと移動します。この危険性は吸血開始から48時間以降に高まります。マダニは、公園の草むらや野山、畑などに生息し、犬に寄生する機会をねらっています。
バベシア症に感染すると・・
犬の体内に侵入したバベシア原虫は、血液中で赤血球に寄生します。感染した犬の免疫システムは、バベシアが寄生している赤血球のみならず正常な赤血球までも破壊していきます。こうして致命的な貧血が際限なく進行していきます。
貧血のため、歯ぐきや目の結膜は白っぽくなります。重症の場合には黄疸で黄色っぽく見えることもあります。また、破壊された赤血球の色 素が尿中にでるため尿が非常に濃い色になります。元気や食欲がなくなり、散歩にも行きたがりません。ついには起き上がることもできなくなて放置すると死亡します。感染初期には異常を見逃しがちですので、上のような異常を感じたときには早めに動物動物で診察を受けることをお勧めします。
バベシア症の治療
バベシア症は早期に治療すれば救命できる可能性が高いですが、貧血が重度になると治療のかいなく死亡してしまうこともあります。多くの 場合、殺原虫薬の注射による治療が行われます。また、飲み薬で殺原虫効果のある抗生物質や免疫力を高めるサプリメントを使用したりします。
バベシア症の予防はマダニの予防!
バベシア症はマダニによって媒介されるので、マダニに吸血されないことが最大の予防策となります。それには、動物病院で扱っているノミマダニ駆除剤(フロントライン、フロントラインプラス)がもっとも効果的です。1ケ月ごとの定期投与が推奨されます。市販のノミダニ駆除剤(スプレーやスポットタイプ)は残念ながら効果がありません。宮崎は、バベシア症の発生地域です。マダニの寄生を防ぐことがバベシア症から身を守ることにつながります。
※ 全院で、夜間診療は行っておりません。