飼い主さんもマダニにご注意を!「日本紅斑熱」感染拡大中!
マダニが媒介する「日本紅斑(こうはん)熱」が全国で広まっています。昨年7月に宮崎市で日本紅斑熱による死亡例も報告されました。この被害者は70歳代の女性で、宮崎市内の山林を散策しているときに、腰と足をマダニに刺され、高熱、発疹などの症状が出現、入院後1週間ほどで多臓器不全などにより死亡しました。
「日本紅斑熱」とは
日本紅斑熱は日本紅斑熱リケッチア(Rickettsia japonica)という病原体に感染しているマダニに刺されて感染します。宮崎県では、例年数名の患者が発生し、特に宮崎市、日南市に患者数が多い傾向にあります。全国的にも、西日本中心だったのが、東日本にも拡大を続けています。
症状
頭痛、高熱などの症状が急激に発症し、発熱とともに米粒大の紅い斑点が、多数出現し、全身に広がりますが、痒みがないのが特徴です。重症化すると痙攣、意識障害などを引き起こすことがあります。
予防
マダニに刺されて感染しますので、マダニに刺されないようにすることが重要です。
マダニは、野山や畑、草むらなどに生息しており、山や川へのレジャー、山間部や田畑での農作業などが主な感染機会となっております。
(1)長袖、長ズボンなどで肌の露出を少なくし、防虫スプレーを使用しましょう。
(2)むやみに草むらや地面に座ったり、寝転んだり、衣服を置いたりしないようにしましょう。
(3)帰宅後は、入浴して体についたダニを落とし、新しい服に着替えましょう。
(4)吸血しているダニを、除去しようとしてダニをつまむと、その圧力で病原体を体内に注入してしまうことがあります。ダニを取るときは、ダニの口の部分をピンセットではさんで取りましょう。
(5)飼っている愛犬・愛猫がダニを家にもって帰ることもありますので、月に1回、ノミ・マダニ駆除剤(背中の皮膚に垂らす液体タイプ)をつけて、ダニを予防しましょう。
もし、ダニにかまれたら・・・
山林ややぶなどのダニ生息地に入り、2~10日後に、倦怠感、頭痛、発熱、発疹などの症状がでた場合に、ただちに医療機関(皮膚科や内科)を受診してください。抗生物質を投与して治療します。
※ 全院で、夜間診療は行っておりません。