ねこちゃんを伝染病から守りましょう!
心地よい秋ですね。寒い冬が来る前に・・人のインフルエンザがはやるようにわんちゃんやねこちゃんの伝染病も広まります。
最近わんちゃんの伝染病である"ジステンパーウイルス感染症"が発生したとのことで、最初に以前も紹介したジステンパーウイルス感染症についてお話していきたいと思います。
<ジステンパーウイルス感染症>
・病原菌:ジステンパーウイルス :犬科に高い感受性をしまします。そのほかにも、猫科・イタチ科・アライグマ科・スカンク科など食肉動物に感染します。
・感染:感染経路として、感染動物の鼻水などを介しての飛沫・接触感染です。免疫機能が低い子犬や老犬は感染しやすく、症状がひどく出ます。
・症状:感染後3~5日で急性の発熱があります。初期のウイルス増殖の場所となるリンパ系組織では壊死がおき、白血球の低下が見られます。ウイルスが全身に広がるに伴い、結膜炎、鼻水、激しい咳、下痢(血便を伴う)が出てきます。皮膚にも紅斑、水泡、膿胞の形成、肉球の硬結など、病変が出ることもあります。末期ではウイルスが神経系にまで達し、けいれんや麻痺などの神経症状を示し、亡くなります。
致死率は90%と非常に高くなっている怖い伝染病です。
ではここで、ねこちゃんの伝染病について
<猫ウイルス性鼻気管炎>
・病原ウイルス:猫ヘルペスウイルス ・感染:感染経路としては、飛沫感染や空気感染です。なので室内だけのねこちゃんもお外にいる感染しているねこちゃんと網戸越しでの接触でも感染をうける可能性はあります。 ・症状:40℃前後の発熱と激しいくしゃみ、咳、鼻水や目やにを出します。ほかのウイルスや細菌との混合感染を引き起こし重い症状となります。とくに子猫の時はかかりやすく、高い死亡率を示す場合もあります。
<猫カリシウイルス感染症>
・病原ウイルス:猫カリシウイルス ・感染 :感染猫の排泄物やくしゃみなどにもウイルスが含まれます。接触感染が大半ですが、生命力が強いウイルスなので空気感染や人を介して感染することがあります。 ・症状:猫ウイルス性鼻気管炎と類似した症状(発熱、くしゃみ、咳、目やに)示しますが、進行すると口の中や舌に水泡や潰瘍ができます。また関節炎や肺炎を起こすタイプのウイルスもあり、他のウイルスや細菌と混合感染する場合が多く、その場合は重い症状を引き起こします。
<猫汎白血球減少症>
・病原ウイルス:パルボウイルス ・感染:主に感染猫との接触や汚染されたもの(感染猫の排せつ物に多量のウイルスが含まれている)との接触で感染します。 このウイルスは抵抗力も感染力も非常に強く、石鹸で洗った程度では感染力は低下しません。・症状:活発に細胞分裂している小腸の細胞、骨髄、胸腺になどの組織が主に侵されます。高熱、嘔吐・下痢と消化器系の症状をしまします。血液中の白血球の数が著しく少なくなります。 嘔吐・下痢に伴い、脱水症状が進行すると、ねこちゃんが衰弱し、とくに子猫では非常に危険です。回復後も数週間はウイルスが排せつ物に排出されるため、排せつ物の処理が大切になります。
<猫クラミジア感染症>
・病原菌:クラミジア ・感染:感染猫との接触によるもので、この菌が口、鼻、目より侵入し感染します。
多頭飼育の場合は、一匹が感染すると、全員にかかる可能性があります。
一度感染すると、病原体は全身的に存在するようになるので、分泌液や糞便中にも、クラミジアを排出することになります。 ・症状:かぜのような症状や特徴的には、目の病気(結膜炎や角膜炎)を起こします。他のウイルスや細菌と混合感染によって症状がひどくなり、肺炎になったり、結膜炎が慢性化します。
<猫白血病ウイルス感染症>
・病原ウイルス:猫白血病ウイルス ・感染:感染猫の唾液中に多量のウイルスが含まれているため、食器やトイレの共用、グルーミングなどで感染します。 ・症状:長期間に潜伏期間の後にさまざまな病気になります。リンパ肉腫、白血病など腫瘍性の病気をはじめ、貧血、腎炎あるいは、抵抗力が低下しているため、ほかの感染症も併発する場合があります。
以上が今ネコちゃんのワクチンで予防できる病気になります。一番の病気の予防はワクチンを接種することもですが、外に出さないことにより、防ぐこともできます。伝染病以外にも交通事故や口傷事故も防ぐことができます。室内だけのねこちゃんも病気の感染を受けることがありますので、ワクチンをきちんと接種して感染症からねこちゃんを守りましょう!
※ 全院で、夜間診療は行っておりません。