綾部動物病院

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痛みによる体調の変化に気づいてあげましょう。

犬は痛みに鈍感?と言われる事もありますが、生理的に痛みを感じる体の仕組みは犬も人も全く同じです。鈍感ではなく、言葉を話せない犬の痛みが人に伝わりにくいだけです。
ここでは、飼い主さんが気づかれる事が多い部分について痛みのしぐさの例をあげてみました。
 
<足に痛みをある時のしぐさ>
足の痛みは内臓に異常がある場合とくらべ、どこが痛いのか犬自身にもわかやすく,
行動の変化が飼い主さんにもわかりやすいです。
1、肉球や関節など足のどこかに違和感や軽い痛みがある場合に、足を気にしたり、
  咬んだり,舐めたりという行動をします。
2、痛みが強くなってきて、歩いたり走ったりする動作に不自由を感じている状態では、痛い足
  をあげたまま歩いたりします。
3、足だけでなく全身を動かすことができなくなるほどの痛みもあります。
  足や体をを触ろうとすると怒ったり、また動けなくなり、鳴きわめいたりする行動もみられます。
 
<お腹に痛みがある時のしぐさ>
1、お腹に違和感や軽め痛みがある可能性がある際には、起き上がる時や歩いている最中に
   体を伸ばしたり、いつも違う起き上がり方をしたりします。
2、休んでいる時など、お腹を圧迫しない様に横向きになったり、かばうような普段取らない姿勢
  がみられる事があります。
3、腰をあげてじっとしている様子を見せる事もあります。
4、常に気になるほど、強いお腹の痛みを感じた際には、全身の筋肉がこわばったり、
  夜もねむれなくなることもあります。触ると、唸ったり、鳴きだしたりという様子も見せます。
 お腹に痛みがある時のしぐさとしては、体の表面や骨、関節の痛みに比べ、どこが痛むかという事が
 はっきりしないようで、どのような病気でも痛みを感じた犬のしぐさや行動は似てくる傾向があります。

 
(口に痛みを感じている場合に起こすしぐさ)
 1、口や歯の一部分に軽い痛みがある時に、ご飯をボロボロこぼしたり、鼻にしわを寄せて食べたり、
    口の片方だけで食べたりするしぐさがでます。
 2、痛みのせいでフードを食べる早さが遅くなり、食べ残すようになります。
 3、口や歯への少しの刺激も耐えれないほどに痛みを感じるようになると、大好きなおやつや
   歯みがきを嫌がるようになり、食欲が全くなくなってしまいます。
  無痛の場合もありますが、進行するとひどく痛みを生じる物もあります。
 
 
(眼の痛み)
  目も神経が通っており、痛みを感じる器官です。ただし痛みがある時のしぐさと、見えにくかったり、違和感がある時などのしぐさは似ています。
1、眼をこする:目に痒みがある時や何か異物が入っている可能性があります。
2、目をぱちぱちせさる:瞬きを繰り返したり、痛みや違和感を感じている可能性があります。
3、涙が多くなる:目に刺激や痛みを感じると眼の粘膜の保護しようと涙が多くなります。
4、眼が開かなくなる:目を少しでもあけると痛みを感じるので、強く瞼を閉じている可能性もあります。目以外の体の部位の痛みに耐える時に、じっと目を閉じる犬もいます。
 
 
その他痛みが起こる物で、飼い主さんが気づかれることが多い疾病として
(椎間板ヘルニア):背骨の間に挟まれた椎間板が首や腰の部分で飛び出し、神経が圧迫され、
          首や腰に痛みが生じる病気です。
          重度の腰の椎間板ヘルニアは、足の神経の麻痺を起こします。
          行動の変化としては、頭をあげたがらない動き、歩き方に変化が現れます。
          腰の場合:初期には腰や足に痛みが生じ、歩き方がふらつく事が多いが、
               進行すると足が麻痺し、痛みを感じなくなります。
 
(外耳炎):犬にはもっとも多い、病気の一つで、最初は痒さや不快感が多いですが、
      化膿がひどくなると耳全体が腫れ、異様な臭いがし、痛みが出てきます。
      行動の変化としては、耳をかいたり、床にこすりつけたりとしますが、
      痛みが出てくると、触られることを嫌がり、攻撃的な様子を見せる事もあります。
 
(関節炎):年齢を重ねるに従い、関節の変形などが原因で、関節が炎症を起こし、少しの痛みから、
      激しい痛みになりる事もあり、慢性化する事もあります。
      歩くたびに関節が痛くなるので、足をあげた歩き方や、階段やソファーに上がること
      を嫌がったりします。
 
(尿道結石):尿道に結石ができるので、排尿時に下腹部に、しばしば激しい痛みが生じる事
       があります。排尿時にギャッと鳴いたり、出にくそうにしたり、また血尿が出たり
       します。またお腹が痛そうなしぐさをすることもあります。

上記にあげた以外にも、痛みが出た時のしぐさや行動の変化は様々です。また痛みは病気に
よっても痛みの度合いや頻度は違い、感じる犬によっても違いがあります
病気によっては無痛の場合もあります。痛みは本来、症状の一つではありますが、痛み自体が治療の一環となります。愛犬の痛みを少しでも和らげていく治療やお世話が必要になります。
よく様子を観察し、いつもと違う様子がないか確認し、少しでも早く痛みに気づいてあげましょう。


 

※ 全院で、夜間診療は行っておりません。