綾部動物病院

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ワンちゃん・ネコちゃんの乳腺腫瘍について

近年は医療の向上で動物も高齢化が進み、一昔前ではあまり見られなかったような疾患が増えてきました。

今回は乳腺腫瘍について少しまとめてみましたので一緒にペットの病気の予防、早期発見・治療を考えましょう。



乳腺腫瘍とは乳腺上にできるしこりです。

女の子にできる腫瘍の中で最も高い発生率がこの乳腺腫瘍といわれています。

ワンちゃんやネコちゃんの乳腺は通常5対(お乳が10コ!!)もあり、もちろんお乳の数からして人よりも乳がんの発生率は高いと言えるでしょう。

※ネコちゃんの場合は乳腺腫瘍の発生自体、悪性率が高いと言われています。



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①お腹を撫でている時にふと小さなしこりに気づいた。

本人が気にしている様子はない。

発疹か何かだと思って様子を見ることにした。



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②久しぶりにお腹を撫でたらしこりが大きくなっていて、

いくつか新しく小さなしこりが触知できる。(気がする)



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③病院に連れて行こうと思っていたけど時間が経ってしまった。

しこりは発見時の何倍も大きくなってしまい、最近よくお腹を舐めていると思ったら腫瘍が自壊して滲出液や出血がみられる。



①~③の状態になるまでの期間には個体差があります。

(もちろん悪性の腫瘍であればより進行・転移は早いので1,2か月でも大きくなります)

皆さんはどの時点で動物病院へ連れて行きますか?



実はどの段階でも悪性であるかどうかの診断を見た目だけでつけることはできません。良性であっても大きくなることがあるのです。

しかしワンちゃんの場合、良性だったはずの乳腺腫瘍が悪性(=いわゆる乳がん)へ変化することがあります。

しこりを見つけた時点で受診し、詳しい検査を受けましょう。



【そもそも何が原因でこの腫瘍はできるのか?】

問題は女性ホルモンです。

ワンちゃんは約半年に1回(年2回)の発情期を迎えますが、その度に卵巣から出るエストロゲンという女性ホルモンの影響を受けます。



年を重ねているほど発情の回数が多く、女性ホルモンの影響を多く受けているために、避妊手術をしていない7,8歳~高齢犬に多く発生しています。



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【手術はどうなるの?】

左右5つずつが繋がっており、胸・脇の下あたり~陰部近くまで広くある乳腺です。

しこりの部分だけを切除しても同じ並びの乳腺にまたしこりができる可能性があります。

獣医師の判断のもと、体力や年齢などを考慮して乳腺のしこりの一部切除や片側全部を摘出することもあります。

麻酔をかけている時間も長くなり傷跡も大きくなってしまうことも…。



【予防しましょう】

1番良いのが子犬の時に初回の発情が来る前に避妊手術を行うことです。



避妊手術で子宮と卵巣を取ることで子宮に膿が溜まる子宮蓄膿症も予防することができます。子宮蓄膿症も高齢になってから特に出てきやすい病気です。

ワンちゃんには閉経(発情による陰部出血が終わる)がありません。

高齢のワンちゃんが発情後1か月くらいして症状が出てくる病気で、治療が遅れると命を落とす危険性もあるのです。



子犬の時期はあっという間に過ぎてしまいます。

将来、交配させる予定や避妊手術の時期を早いうちからご家族の間でもよく話し合いをして決めておきましょう。



おうちでできることとして普段からよくスキンシップを取るように心がけましょう。

胸~下腹部を優しくゆっくりマッサージしてあげることで病気の早期発見やお互いの関係性も築けますよ(*´ ▽`)


 

※ 全院で、夜間診療は行っておりません。