野鳥を保護して思うこと
先月20日、病院にケガをした野鳥がつれてこられました。小学校の敷地内の側溝で飛べなくなっているのを小学生に保護されたのです。診察をしてみると、左翼が骨折しているようです。外固定をして、ケージに入れて様子をみることにしました。
? 保護された野鳥は、ハマシギ(チドリ目シギ科)という旅鳥で、全長は21cm、くちばしは黒く長く、やや下に曲がっており、脚は黒色です。夏と冬の羽の色が異なり、夏は上面が赤褐色で腹に黒色斑があり、、冬は上面が灰褐色で胸と腹は白色です。ユーラシア大陸と北アメリカ大陸北極圏で生まれ、冬は地中海、アフリカ大陸、中国東部、北アメリカ大陸南部などに渡って越冬します。日本では、8~10月、4~5月に、海岸や河口の砂浜、大河川や湖沼の砂泥地、干潟などで見られます。群れで生活し、数千羽の群れになることもあります。水辺を歩き回りながら、せわしなく泥の中や上の水生昆虫、ゴカイ類、甲殻類などをついばんで食べます。(こんな小さな体で北の大地からはるばる日本まで飛んでくるのには、感動します。)
保護されてから2週間が経過し、元気や食欲はあります。食事は、釣りの時にエサとして使われるオキアミです。だいぶ人の慣れてきて、オキアミを入れたガラスの器をケージの中に置くと、目の前で食べるようになりました。姿形も可愛いのですが、動きや表情もとても愛らしく、ずっと見ていても面白いです。あとは、骨折部位が癒合して、十分に飛行できるようになるのを待つばかりです。
私事ですが、幼い頃、よく大淀川で遊んでいて、ハマシギの足跡らしきものを見たことがあり、きっと大淀川にハマシギの仲間がいるだろうと、先日、大淀川の河川敷に行ってみました。すると、数百羽のマガモ、カルガモ、ダイサギなどに混じって、数十羽のハマシギがエサをついばんでいました。普段何気なく車で大淀川沿いを通り過ぎていましたが、こんな身近に、野鳥をはじめ、美しい自然が残っていることを大変嬉しく思いました。そして、これらの自然が永遠にこのままであるように、私たちは、自然を知り、自然に親しみ、自然を守っていく必要があることを改めて考えさせられました。みなさんにも、特に子供達には、自然の中でおおいに遊び、自然の大切さを知ってもらいたいと思います。
※ 全院で、夜間診療は行っておりません。